IT業界におけるプログラマーやエンジニアという仕事は本来、非常に魅力的なものである。インターネットやスマホなどといった現代社会には欠かせないツールのシステムを開発し、多くの人々に提供するという仕事は非常にやりがいがあり、これ以上に充実感を得られる仕事もなかなかないのではと思えるほどだ。
しかし一方で、過酷な職場環境から多くの者は仕事に疲れ、離職者が後を絶たないという現実がある。
特に、デスマーチと呼ばれる終わりのない仕事は、働く人間の心を疲弊させてしまう。これを防ぐためには、企業が率先してメンタルヘルス対策を行っていく必要があるだろう。職場環境が劇的に改善されないのであれば、人の心を強くするために必要なのは仕事への満足である。
延々とやっている作業が虚しいものと考えてしまうから心が弱っていくのであって、その行為に意味を与え、成果を評価すれば人の心には満足感が芽生えるのである。
そうした肥やしがあれば人の心は自然と強靭なものになっていく。
また、心の不調は外からは分かりにくいので、自分の心の健康を自分で守るセルフケアのノウハウを従業員に浸透させていくことも大切だ。
もちろん、それと並行して職場環境のそのものの改善にも取り組まねばならないことはいうまでもない。このような地道な努力を続ければプログラマーやエンジニアは、仕事の本来の面白さを再認識することができ、IT業界全体の活性化にもつながっていくだろう。